京都の非公開文化財特別公開で、訪れた報恩寺さんです。
こちらのお寺、有名なのは「鳴虎図」です。これは、四明陶佾(しめいとういつ)という中国の画家が描いた、虎の絵なのですが、虎の体毛、一本一本、そして背後にいるカササギの動きなど、とても鮮明で美しい絵です。
これを秀吉が気に入り、報恩寺から伏見の聚楽第へ持ち帰ったところ、その夜、一晩中、虎の鳴き声が響き渡り、秀吉は眠ることすらできなかったそうです。翌日、虎が寺に帰ることを望んでいるんだと考えた秀吉は、すぐさまお寺に返されたとか。。
そんな「鳴虎図」。初めて見ましたが、見る角度によって虎の表情が変わるようなリアルな感覚、そして、細やかな表現も美しく、秀吉が気に入ったのが納得できるような絵画でした。
それと、こちらのお寺、快慶作の阿弥陀如来様など見どころが豊富なのですが、一番の見どころは・・「厨子入木造千体地蔵菩薩像」でしょうか。写真はというと、京都新聞のサイトなどに載っています。
「
京都新聞の厨子入木造千体地蔵菩薩像 紹介ページ」
たった15センチ四方ほどの空間に、びっちりと千体近くお地蔵さまが刻まれた、ものすごく緻密で繊細な仏様たちです。この千体近いものすごくミニチュアなお地蔵さまは、きちんと光背まで付いており、驚くばかり。
繊細なこの像は、ガラスケースに入れられ、その繊細さから、配管で歩く際も近場ではゆっくり、そろりと振動をさせないように・・と注意が入るほどでした。
久しぶりに、ものすごいものを拝観させていただいたな・・と思った、そんな文化財公開でした。
↓報恩寺の庭園です。