今年も始まった京都の「
非公開文化財特別公開」。春秋にありますが、中には観光地としては、それほど有名でない寺院の文化財を特別公開してくださっていて、いつも興味を惹かれます。ただ、期間も短くなかなか行けません。
昨年・秋も日程が合わず、結局、近所の「海住山寺」の特別公開を訪れたくらいでした。今年は、ちょうどサッカー天皇杯の観戦予定があったので、場所をしぼって巡ってみようと・・・調べていると・・
面白そうだなぁ・・と思ったのが、東山二条付近にある「
大蓮寺」と「西方寺」でした。どちらも過去に一度も公開されたことのない重要文化財の秘仏を公開するとのことです。ということで「大蓮寺」を訪れました。
東山の街中にあるお寺で、普段は観光客も少なそうな雰囲気でしたが、この日は同じ目的の参拝客が数人おられました。この公開イベントでは、京都の大学生さん達が手伝ってくださっていて、寺院、文化財の説明をしてくださるので、非常に分かりやすかったです。
今回公開されていた秘仏は、薬師如来立像(重文)、夜叉神明王像など数体ありました。それらすべてがもとは祇園社(八坂神社)に祀られていたものだということです。ただ廃仏毀釈により、仏像を移動せざるを得なくなり、祇園社とゆかりの深いこのお寺が、現在まで所有することになったそうです。
薬師如来像は、伝・伝教大師作とされているそうですが、調査により、定朝の弟子、覚助の作であると推定されているそうです。非常に柔らかで、静かなお顔立ちでしたが、この像は190センチ近くあり間近で見ると、なにか諭されているような圧倒感がありました。
また、このお寺には明治・大正時代に京都で有名だった「
走り坊さん」が住んでいたことでも有名だそうです。大蓮寺は安産のお寺として有名なのですが、安産のお守りを京都市中を走り回って、妊婦さんに届けたり、もらった米を貧しい人々に走って届けまわったとか・・多い日には一日60kmも走ったそうです。しかも、たいそうな酒好きで酒を飲んで走る日もあったとか(笑)
走ることで、人に役立てる「走り坊さん」の話は、本当に感動し、何度も、その絵を見ておじぎしました。
↓街中にある小さなお堂。

↓本堂の前には立派な大王松がありました。

↓ポスター。左が西方寺の阿弥陀様。右が大蓮寺の薬師様。

↓御朱印です。いくつか種類がありましたが秘仏を見に来たのでお薬師様のものをいただきました。